腰痛治療最前線―TMSジャパン公式サイト-図書室



補完・代替医療総覧(1)

連載1


―補完・代替医療総覧ー
患者の問いに答えるために


長谷川 淳史 (TMSジャパン代表)


全人的アプローチを掲げる補完・代替医療の世界的潮流と未来、そこに垣間見える光と影を探る。


連載のスタートにあたって

われわれは今、好むと好まざるとにかかわらず、テレビやラジオのCM、新聞や雑誌の広告、インターネットのスポンサー広告によって、栄養補助食品、民間療法、健康法にまつわる情報を毎日必ず見聞きしている。これは健康に対する国民の関心が高まっていると同時に、いつの間にか補完代替医療(Complementary and Alternative Medicine:以下CAMと記す)が身近な存在になっていることを意味している。

しかし、CAMの有効性や安全性、費用対効果などについて、我々はいったいどれだけの知識を持っているだろうか。

ことにマスコミで大きく取り上げられた根拠のないCAMや、「治療した」⇒「治った」⇒「故に効いた」という『三た論法』を鵜呑みにするのは危険である。かえって健康を損なうだけならまだしも、死亡例まで散見されるからだ。それに伴う経済的損失も見逃せない。

となれば、国民の健康を守るプロの責任として、医療従事者は少なくとも患者の質問に答えられるだけの知識を持つ必要があるだろう。すでに「知らない」「わからない」では済まされない時代が来ているのだ。

そこで筆者は、次号から、この「補完代替医療総覧」と題した連載をとおして、世界各国で利用されているCAMの有効性と安全性ならびに利用価値について、読者と共に学んで行きたいと考えている。

代替医療通信, 第4号, 2006.

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