読書療法
腰痛の読書療法(Bibliotherapy)
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イギリス家庭医療学会(Royal College of General Practitioners)が『The Back Book』という小冊子を出版して以来、腰痛疾患に対する読書療法の有効性に注目が集まっています。
根拠に基づいた新たな腰痛概念、すなわち「生物・心理・社会的疼痛症候群」という観点から書かれた本の有効性は、運動療法・脊椎マニピュレーション・鍼治療・マッサージといった高価な治療法とほぼ同じであり、安価で効果的な治療法として読書療法を勧めている論文が数多くあります1)2)3)4)5)6)7)8)。 |
また、アメリカ内科学会とアメリカ疼痛学会が発表した最新の腰痛診療ガイドラインも、「根拠に基づく腰痛情報を提供し、活動性を維持するようアドバイスするとともに、有効なセルフケア対策について指導すべき」として読書療法を推奨しています(強い勧告・中等度のエビデンス)9)10)11)。
とはいえ、一読すればどんな腰痛もたちまち治ってしまうというわけではありません。新たな腰痛概念をよく理解し、腰痛にまつわる古い常識を頭の中から消去するには、少なくとも3回は熟読する必要があるようです。それに加えて、現時点で有効性が証明されているセルフケア対策を実行に移すことも不可欠です。
そのためには重要な部分に付箋を貼り付けたり、蛍光ペンでチェックを入れたり、時にはノートに書き留める必要があるかもしれません。腰痛治療セミナーにしろ個人治療プログラムにしろ、情報を知識だけで終わらせてしまっては意味がありません。それはお金と時間の無駄遣いというものです。情報は行動に移して初めて成果が得られるのです。どうかそれだけは忘れないでください。
これから腰痛の読書療法としてお勧めの本をご紹介します。ただし、毎年200万件の医学論文が発表されていて、そのうち23%が2年以内に、15%が1年以内に、7%が発表された時点ですでに結論が覆されているという厳しい世界ですから12)、新しい本ほど信頼性が高いかもしれません。その点も考慮に入れて参考にしていただければと思います。
文献
1) Cherkin DC. et al, N Engl J Med, 1998, 339(15): 1021-9.
2) Cherkin DC. et al, Arch Intern Med, 2001, 161(8): 1081-8.
3) Buchbinder R. et al, Spine, 2001, 26(23): 2535-42..
4) Buchbinder R. et al, BMJ, 2001,332(7301): 1516-20.
5) Hilde G. et al, Cochrane Database Syst Rev, 2002.
6) Hagen KB. et al, Cochrane Database Syst Rev, 2004.
7) Udermann BE. et al, Spine J, 2004, 4(4): 425-35.
8) Sherman KJ. et al, Ann Intern Med, 2005, 143(12): 849-56.
9) Chou R. et al, Ann Intern Med, 2007, 147(7): 478-91.
10) Chou R. et al, Ann Intern Med, 2007,147(7): 492-504.
11) Evidence Review: APS Clinical Guideline for the Evaluasion and Management
of Low Back Pain (2009)
12) Shojania KG. et al, Ann Intern Med, 2007, 147(4): 224-33.
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2009年刊 |
2004年刊 |
2002年刊 |
2000年刊 |
2003年刊 |
1999年刊 |
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2011年刊 |
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1998年刊 |
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1994年刊 |
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