腰痛治療最前線―TMSジャパン公式サイト-図書室



腰痛に悩む人に朗報!




腰痛に悩んでいる人は多い。原因は「老化現象」「椎間板の異常」「激しい運動をしたため」「運動不足」「重い荷物を持ったため」「姿勢が悪い」などと一般に言われている。が、「それは全部ウソ」と断言した本を、旭川市内に住む手技療法研究家の長谷川淳史さん(40)が出版した。題して『腰痛は〈怒り〉である』(春秋社/定価1800円)。

長谷川さんは「痛みの原因はストレスや環境の変化などによる心の問題と深くかかわっている」と指摘し、ニューヨーク大学医学部教授、ジョン・E・サーノ博士が開発した「TMS理論」で説いている。


このTMSとは「Tension Myositis Syndrome」の略。サーノ博士はこれを「痛みを伴う筋肉の生理的変化」と定義し、これまで単独の病気として生じると考えられていた筋骨格系の様々な症状を症候群としてひとまとめにした。つまり、肩凝り、腰痛、腕や脚の神経痛などあらゆる部位の関節痛は、すべて共通原因による症候群としている。


長谷川さんはこんなふうに説明する。

「博士は検査所見と臨床症状が一致しないことや病変の異常程度と痛みの強さが一致しないこと、また治療が一定していないことなど、従来の治療法などに疑問を抱いていました。博士が開発した理論は、腰痛など筋骨格系の痛みの原因は、心の緊張から来るものであると考えたのです」

長谷川さんも10代半ばから激しい腰痛に悩まされたという。

「中学時代から野球を始め、特待生で私立高校に入学したのですが、腰痛から3年間正選手になることができませんでした。その時の無念さは、例えようがありません。その後腰痛は10年ほどで自然治癒したのですが、それまではどんな治療法でも良くなりませんでした」

この経験が長谷川さんを、"痛み治療"への道に進ませたという。高校を卒業後、マッサージの専門学校へ。仕事のかたわら懸命に痛みに関する文献を読んだ結果、行き着いたのがTMS理論だった。

「この治療法は95%の患者さんに有効という結果が出ています。そのためには2つのことができればよいのです。まず、これまで医者やマスメディアが言ってきた腰痛に関する間違った情報、私はこれを<呪い>と言っていますが、これを解くことです。そして、抑圧された怒りの存在に気がつくことです」

「どうもピンとこない」と感じている人も多いかもしれないが、長谷川さんの本を読んで症状が改善した人や軽減した人からの報告もあるという。

2000年春に開設したホームページには、これまで約28000件ものアクセスがあったというから、腰痛に悩む人たちの関心の強さがわかろうというもの。

アメリカではABC放送やCNN放送がサーノ博士のTMS理論に関する特番を組んでおり、評判になっているという。また、長谷川さんのもとにも、全国ネットのTVやラジオ放送局からの出演依頼が増えている。

腰痛は〈怒り〉である』は患者との問答形式で書かれている。

「一般の読者にわかりやすく、専門家には説得力の持ったものにしました」という。本の帯には腰痛で悩んだ経験を持つ作家・夏樹静子さんが「一読をお勧めしたい」と推薦している。

長谷川さんには、この他に監訳書『サーノ博士のヒーリング・バックペイン』、共訳書『代替医療ガイドブック』(いずれも春秋社)がある。現在、往診専門のガラップ治療院を経営。『腰痛は〈怒り〉である』の内容はホームページでも紹介されている。アドレスは http://www.tms-japan.org/


北海道情報誌「うぉんつ」2001年2月号

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